前距腓靭帯損傷

12.14 02:13

今回はスケーターのケガに最も多い前距腓靭帯損傷についてお話したいと思います。

前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)とは、骨と骨を繋ぐもので、足首を内反捻挫(グリッチョ)することで損傷してしまう靭帯になります。スケーターなら一度は経験するケガといって良いでしょう。老若男女問わず人間の足首の構造上ケガをしやすいのです。前距腓靭帯とは、足関節の外側の靭帯の3つの内の1つで、外くるぶしの前方に付いている靭帯になります。この靭帯の機能としては足関節をひねり過ぎないように制動してくれる役割があります。その為、足関節を内反方向に強制的に動かされてしまった場合に損傷します。

内反捻挫が多い理由はいくつかあります。1つは、内くるぶしが外くるぶしに対して高く、前方にあるということです。自分の足で見てみても分かる通り、外くるぶしが低く、後方にある為、足裏を内側に向ける動きがしやすいのです。2つ目は、内側の靭帯の方が外側の靭帯よりも強靭なことです。足関節の周りには靭帯がたくさんあり動き過ぎないように固定されていますが、内側の靭帯は強く付着部も広いため伸びにくいのです。他にも理由はありますが、ここでは割愛します。

この前距腓靭帯とはサルには存在しません。サルは木を登る際、足首を内反し昇っていくために足首が木に沿う様にグラグラな状態なのです。人間は進化の過程で直立二足歩行となり、足首を安定させるために前距腓靭帯が付き、足首を支えるようになりました。人間の発達から考えても、捻挫することにより足関節が不安定になってしまう事が容易に分かると思います。

また何度もグリッチョを繰り返し放っておくと、高齢になり足首が変形してしまう変形性足関節症になる可能性もあります。グリッチョは高頻度で起こるケガですが、足首はしっかり治してからスケートを始めることをオススメします!と言ってもスケーターは、治らないうちからスケートを始めてしまうのがあるあるです。自分もそうなので気持ちはすごく分かります。そんなスケーターのために次回は足関節を安定させるトレ―ニングを紹介したいと思います。

それではまた…  SKATELOVE✴

Profile – Yuta Nakasaka(中坂優太)
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スケート歴18年、現在理学療法士として働く傍ら、自らも現役バリバリ活躍中の静岡のキーマン。コラムでは語り切れない、さらに踏み込んだ内容を個人に合わせ、具体的にアドバイスするスケートボード理論講座も不定期に開催中。詳しくはブログ(http://ameblo.jp/y-nakasaka/)にて。

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