




先日、WEBにて公開されたnew balance numericのビデオ『TRI COLOR』と自身の最新シグニチャーモデル「533V2」を引っさげ、実に10年ぶりに来日したPJ Ladd。プロスケーターの中でもトップクラスの実力を持つ彼に対し今回はシューズやビデオの話題を中心に、わずかな時間ではあったがインタビューを行うことができた。
interview with PJ Ladd
新作モデル「533V2」について教えてください
これは僕のモデル533の二代目なんだ。最初は479って番号で始まったものでプロシューズじゃなかったんだけど、長くこのシューズを履いているうちに僕のシューズにしようってことになった。一番最初の段階からデザインに関わっていて、何年もかけて少しずつアップグレードしていったよ。僕のプロシューズは長持ちするって評判だった。靴紐が先に切れちゃって4回も取り替える人もいた。だから靴紐を保護するために下側に靴紐を通すことができるオプションをつけることにした。これがアップグレードの一つ。あとは、前のモデルのアッパーは継ぎ目なしのスウェードで足が熱くなりすぎてたから、分割してサドル部の通気性を良くした。空気が出入りするから足が涼しくなる。それと、ヒールフリップのトリックをやるとダメージを受ける部分をラバーで補強することにした。この3点がメインでアップグレードした部分だね。一から新しいシューズを作るんじゃなくて、既にあるものを発展させていく方法にした。
ソールはどうですか?
ソールは初代の533と同じものだよ。ソールはかなり調子が良かったからオリジナルをそのまま使ってる。
new balance numericの最新ビデオ『TRI COLOR』について教えてください。
新しいビデオは『TRI COLOR』ってタイトルでフランキー・ヴィラニっていう若いアメリカ人スケーターとフランス人のフロー・マーティン、そして僕がメインパートを持って、残りのチーム全員がモンタージュで出演するよ。このビデオに関してはメインの3つのパートは強力だし、モンタージュも最高だよ。
このビデオの制作期間はどのくらいですか?
一年くらいだね。僕はもう少し長く撮影してるけど、まあ一年だよ。
パートを作るときににプレッシャーは感じますか?
プレッシャーはあるけど、それは自分自身へのプレッシャーだね。毎日向上しようと頑張ること。それは健康的なプレッシャーだと思う。常にクリエイティブでいたいし、創造性に終わりはない。だから他人と比較したり競争したりせずに、ただ自分のフロウに従って独自の視点で個性的でオリジナルなものをつくる。それには終わりはないし、モチベーションも落ちない。そういう感じだね。
巷に溢れるビデオパートの洪水の中で飛び抜けるためには何が必要ですか?
良い質問だね。今言ったようなことだと思うよ。独自の視点を持って自分だけのことをやる。他より目立とうと思う必要はない。もっと自分自身を出せば自然と目立つようになるし。自分を出していくことが一番うまくいくと思う。
new balance numeric加入の経緯は?
new balanceがスケートシューズを作るって話を聞いて少し興味を持ったけど、その時はそれほど深くは考えなかった。でも、サンプルのシューズを見たときにかなりカッコよかったから真剣に考えるようになった。それが始まりだね。
ボストン出身なのも関係ありますか?
その関係もあるね。new balanceもボストンの会社だし、僕自身もボストン出身だ。
スケートはどうやって始めたんですか?
覚えてないくらい小さい頃からやってるよ。母さんがスケートボードを買ってくれたんだけど、もともとは僕がガレージか近所の車道かどこかからボードを見つけてきたらしい。それで遊んでたらボードを買ってくれた。そういう感じだよ。すごい小さな頃からずっとボードは身近にあったんだ。
好きなスケーターは誰ですか?
トム・ペニーとジェレミー・レイの大ファンだったよ。ロドニー・ミューレンも。ラバー・マクブライドも大きな存在だね。ビデオは『TRILOGY』や『RODNEY VS DEAWON』を見まくってたよ。
ボストンのシーンはどんな感じですか?
あまり知られてはいなけど、ボストンのスケートシーンは大きくて歴史もある。僕らの時代のもっと前からね。ニュー・イングランドとボストンには素晴らしいスケートシーンと歴史がある。それは今でもそうだよ。ストリートのスポットも沢山あるし、スケートパークもある。今でも成長中でイケてるところだよ。
今でもボストンとは繋がりはありますか?
もちろん。しょっちゅうボストンでスケートしたりしてるよ。
今はLAに住んでいるのですか?
今住んでいるのはLAだけど、ボストンにもしょっちゅういるよ。
LAに引っ越したのはいつですか?
子供のころから行ったり来たりを繰り返してるけど、引っ越したのは結構前だよ。スポンサーがついた後すぐに引っ越して、それから暫くいたけど出たり戻ったりをずっと繰り返してる。
スケートで成功するためにはカリフォルニアに住む必要がありますか?
そうは思わないな。もちろんスケートボーディングはカリフォルニアのサーフィンをルーツにしてるから深く理解しようと思うなら必要かもしれないけど、そうは思わないよ。
東京オリンピックでのスケートボーディング正式種目化について
かなり中立的に見てる。あまり深く考えたことはないね。利益になること、プラス面も、それほどプラスじゃない面もある。僕は中立的な立場だよ。
選手に選ばれたらどうしますか?
今は自分のスケートに集中したい。このビデオのために撮影して、終わっても撮影を続ける。それが一番やりたいことだし、やってて楽しいことだよ。
日本のスケーターへメッセージを
自分自身を表現してそれを楽しんで欲しい。”楽しさ”を一番大事にして。後のことは勝手についてくるよ。
special thanks: new balance numeric、new balance japan,inc.、Nothing Better、Masaaki Fukuchi、Sebastian Palmer、Luke Murphy、Mortar
translation by Captain Cap J
video by Daisuke Takahashi