1600013 35°67’8” 139°71’4”

11.10 17:00

Q:今回はディレクターサイドの話を訊かせてもらいましょう。どうですか、率直に企画立案からスタートして3回の3段、合計9段やってみて?
たった3段のステアでどこまで魅せれるのか不安なところもありましたが、いざ撮影を進めてみると3段でも結構奥深くて3段まで持っていくそれぞれのストーリーを考えたりするのが大変でもあり面白くもありました。

Q:新発見的なところはどんなとこ?
新発見ではないんですが、スケートの撮影はライダーと相談しながら一緒に作っていく感覚があるし、フィルミングを始めた頃の懐かしい感覚も再体験できて楽しんでいます。この企画の撮影を行うことで、数年ぶりに遭遇した昔の仲間に会うことができて近況が聞けたり、ライダーと改めて深い話をしてもっと彼らのことを知れたりと、この企画の撮影から得られたことは多いです。

Q:意味深というよりは意味不明のタイトルで、スキルフル時代と一線を画す遊び方を提案するコンテンツ。ディレクターサイドでとくに気をつけていることってなんでしょう?
3段ステアというなんでもないスポットで、如何にライダーの個性やキャラクターを感じさせられるかは考えています。スケートスタイルってスキルだけではなくてそれぞれのバックグラウンドが絡み合って構成されるものだと思うから、多くは語らなくてもスタイルから滲み出る彼らのパーソナルな部分を感じ取ってもらえたらうれしいですね。

Q:実は当サイトのサブストーリーとして「1600013 35°67’8″ 139°71’4″」をはじめとするイエローページならぬイエローコンテンツを盛り上げていきたいと思っているのですが、他にはないコンテンツ、面白さなどを打ち出すために、何にこだわっているのでしょう?
これまでの日本のスケートシーンになかった映像的な美しさや質感を追求したり、毎回少しずつ新しい手法とか技術を取り入れて制作するようにはしています。

Q:登場ライダーの基準とういか、映像目線での審美眼はどこにポイントがあるのでしょう?
そこまで厳格な基準があるわけではないですが、限られた時間の中での制作でもできるだけ良いものにしたいと思っているので、そこを理解して協力してくれるスケーターと仕事を一緒にしたいと思っています。お互いにベストを尽くして価値ある作品を残していきたいですね。

Q:スポット探しも、いろいろ大変そうですね。
そうですね、スタートしてみて気付いたんですが3段のステアって意外となくて。できるだけライダーの活動圏内で探そうとしてるからスポット決定にはいつも苦戦しています。

Q:今後はどういった感じにしていこうと思っていますか?
お決まりの展開みたいなのに早くも飽きて来たので、なにかガラッと違う構成にも挑戦してみたいです。

Q:このコンテンツの必要パーソナリティを3つ挙げてください。
1.行動力
2.想像力
3.忍耐力

Q:映像作家・杉本篤としてのマスターピースはなんでしょう? いっぱいありそうなので、5つに絞ってみてもらってもいいですか。
1.被写体との距離感
2.映像の間
3.スケートボードの音
4.構図と質感
5.自分の意思

Q:杉本流の映像づくりは、たとえばこの3段シリーズなら、どういった作業手順なんでしょうか? ラフやプロットはあるのか、音楽のイメージはどの段階で湧いてくるのか、映像の統一感は意識しているのか、など。
これまでの3段で言えば、まずはライダーの選定、それからライダーとの打ち合わせやヒアリング。スポットや映像全体の構成決定を行ってイメージを固める。音楽は映像の構成が決まってからイメージに合った選曲を行っていますが、なんとなくかっこいい曲を当てるのではなくて、できるだけ彼らが繋がりのあるアーティストとかに音源を使わせてもらうことでライダーとその周りを取り巻く仲間やカルチャーも映像に残していきたいと思っています。映像の統一感という部分では要所要所では決まった要素を入れていますが、この企画では毎回自分では普段チョイスしない技法などを用いたりと実験を繰り返していきたいですね。

Q:Blackmagic Designとのタッグ関係についてはどうでしょう? 具体的にどういったサポートを受けているのでしょうか。
主に機材協力になります。

Q:それによって、クォリティの部分と、モチベーションの部分、それぞれで具体的な変化はありましたか。
クオリティ的な部分で言えば全体的なルックについて透明感がある艶っぽい質感で仕上げることができるので、撮影して素材を見るのが楽しみでした。求めていた質感が手に入ったことでモチベーションも上がり色々と試してみたくなったのでそれは良い点でしたね。

Q:現在は3段においては、2つの機材を使用していますね。それぞれの特性や、プロクォロティとして、どんなところが手応えがあるのか、リコメンドしていただけますか。まずは、Blackmagic URSA Mini Proから。
非常に扱いやすいカメラだと思います。重量もレンズやバッテリーを合わせると3~4kgあるのでスケートの撮影には少々重いですが自分にとっては気になる重量ではなくむしろ安定した絵を捉えることができました。写真などでRAWという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、このカメラは4.6K RAWという非圧縮データを外部収録機を使わずに本体のみで収録ができます。ストリートでの撮影は最小限の機材で素早く撮影を行いたいのでこの点は大きなメリットでした。また広いダイナミックレンジでハイキーとローキーをクリップすることなくメディアに記録してくれるので編集時には表現の幅も大きく広げてくれました。

Q:DaVinci Resolve 14はどうでしょう?
これまでの撮影では4KRAW3:1という形式で収録していますが、高額な編集システムを組まなくともカラーグレーディングの作業を行えました。
DaVinci Resolveは3年ほど前から少しずつ使いはじめたんですが映像のルックを作っていくのにいまや欠かせないツールになっています。
Blackmagic URSA Mini Pro はコントラストが低いlogという形式で収録できます。その撮影素材を1カットずつ現像をするような感覚で最終的なコントラストや彩度などの決定を行っていきます。
一般的な編集ソフトではできないような細かなディティールの調整も行えるのでとても気に入っています。

Q:今後、スケートの映像はどういった方向へいくと思いますか。
これまでと変わらずVXで撮影したようなクラシックな映像とHDとか4Kで制作されるようなハイスペックな映像、そしてiphoneやGoproで撮影したような簡易的な映像などなど、撮影ツールが昔より選択枠が格段に増えたこともあって表現の幅は広がっていくと思います。SNSの発展によって、30分とか60分のDVDを何年もかけて一本リリースするような時代ではなくなってしまったのかもしれないけど、情報として流れていってしまうものの他に、後世に残るような映像作品が制作されていくといいですね。

Q:そこにおける必要な機材とスキルというのは、ディレクターサイドではなにが挙げられるでしょうか?
必要な機材とかスキルは自分が作りたいものに対して揃えれば良いと思います。自分自身もともとはローファイな映像のほうが好きだしそこに高級なカメラは必要なかったりします。自分の作りたいイメージを固めて、アウトプットするツールをチョイスすることが重要かと思いますね。

Q:この当サイトのイエローページならぬイエローコンテンツでの「1600013 35°67’8″ 139°71’4″」は、どういった部分をリードしていくのだと思いますか?
日本のスケート映像の新しい領域を提示していけたら面白いと思っています。自身が2011年に制作した「ME AND MY FRIENDS」という作品では海外の誇張したハイスペック思考な作品に違和感を感じて、もっと身近で人の距離感とか温度が感じられるものを作りたくて制作を行いました。今になって思うのは海外の彼らも彼らなりにずっとスケートの映像を制作してきて新しい形を模索していた過程だったのかもしれないなと思えるようになったんです。今この企画で与えられた役割はそういった実験的な要素や何かこれまでのシーンにない新しい要素を取り込んで試していくことだと思っています。

Q:そして、あなたとBlackmagicはなにを残していくのか?
海外のスケートシーンで最高峰のカメラと言えばREDというような感じで、日本のスケートシーンにBlackmagicの機材が少しでも根差すようにできればいいですね。日本にも素晴らしいスケーターがたくさんいると思うので良い形でスケーターを紹介し続けて協力してくれたスケーターが新しいチャンスを掴んだりシーンの底上げに繋がったりすれば良いなと思っています。

Q:それでは最後に今もっともこのコンテンツに呼びたいゲストスケーターへ、ラブコールをお願いします。
これまでは自分が押したいスケーターや身近でなかなか一緒にやろうと言って実現できてこなかった仲間と作品を制作してきました。今後はそれに加えて若手やレジェンド、いまだ無名なスケーター、フィルマーやフォトグラファーなども入れてカオスなコンテンツにしていきたいと思っています。作品に協力してくれるスケーター、音源を制作しているアーティストも募集中です。hulahoopers HP、Instagramまたはfacebookページより連絡ください。ビビッときた方よろしくどうぞ。

Interview : Senichiro ozawa
Skater : Shuyo Izumo
Photo : Hiroaki Shimizu

Name : 杉本 篤
Barthday : 1982.6.26
Instagram : @ hulahoopers

●小澤による企画説明コラム
杉本篤というスケーター、映像作家のことは以前から知っていた。よりはっきりと認識するようになったのは、被写体としていつも魅力的だったイザワ・サホくんからの、平野太呂が撮ったSbでの写真の使用許可の連絡をもらってからだったと思う。サホくんをメインアクトのひとりにした、杉本篤の映像作品。それは、既存のスケート関連にまつわる映像パッケージとはまた違ったものだった。当時の僕は、今もそうであるのだが、Sbをはじめとして紙メディアに注力していたから、映像をもちろん視聴者として堪能することはあっても、それを自らのメディアに落とし込むというプロセスはなかった。しかし。時は流れて。skateboarding plusという新ウェブメディアにこうして関わるようになって、そのときの彼のイメージをなぞるように、彼と関わるようになっているのだから面白い。新しいコンテンツ。そして、自分が映像コンテンツのタクトを振るうあるパートを担うのであるとするなら、杉本篤とやってみたいと思っていた。そうやって、そのまず1歩として動き出したのが、この「1600013 35°67’8″ 139°71’4″」、通称イエローコンテンツ、略して3段!!! 新しい試みと美しさ。そしてむかーしからある、スケーターってどんな場所でも遊べてしまうようね、っていう敬愛すべき念を投影するもの。そういうものとして、この1歩は踏み出された。今後の展開次第では、イエローコンテンツは2歩も3歩も100歩も進化し、増量し、バズルかもしれない。しかし、遊び足りなきゃ1歩のままフリーズして、ストーンになってしまうかもしれない。そういう意味でもその1歩の旗手は杉本篤でならねばならなかった。やるだけやって、やりつくしてしまうほどの、こだわり野郎が必要だった。その旗手の上で、思う存分遊んでくれるスケーターの美しさや楽しさやカッコイイ音を届けたい。もうすぐ2018年。東京オリンピックまであと1歩2歩。「1600013 35°67’8″ 139°71’4″」近くには国立競技場が姿を変えてうごめきだしている。都市熱も上がりはじめた。フツフツとした空気。どんなふうに僕らがその時代に関わっていくのか。エピックに関わっていくのか。それはスケーターそれぞれであっていいと思うけれど、「1600013 35°67’8″ 139°71’4″」では、遊び、クリエイトし続けるスケーターのストリートというイリーガルな競技場(あえていうなら)を浮かび上がらていきたいと思っている。かぎりなく金メダルのゴールドに近い、スケートという職業所がタウンページにも載っていそうな気もする、そんなイエローページ!!! 今後もよろしくどうぞ。裏オリンピック!?

Text : Senichiro ozawa


Supported by Blackmagic Design https://www.blackmagicdesign.com/jp

Blackmagic Designとは : カメラやスイッチャー、編集・カラーコレクション・音声編集のオールインワン・ソフトウェア「DaVinci Resolve」などの、さまざまなプロ用映像制作機器を開発、販売しているメーカー。「お客様の真のクリエイティビティを開花させる」という企業理念のもと、高品質なプロ用機器を誰でも手が届く手頃な価格で提供している。

使用機材 : Blackmagic URSA Mini Pro , DaVinci Resolve 14

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