『SHIZUOKA UNITED』でのパート作り

05.20 16:20

今まで何度かパートを作成していますが、濃いパートづくりになったDVD作品『SHIZUOKA UNITED』について振り返ってみたいと思います。パートを作成したきっかけは静岡のフィルマーTassaから声を掛けられた事でした。この頃は理学療法士の国家試験前で、毎日10時間以上を勉強に費やしていたので十分な時間をとれず悩みました。でも、スポンサーに対し、活動の結果としてパートを残すことはとても大事な事なので、僕もやりたい気持ちがおさまらず、短期集中で本気でやる事に決めました。最終的に9日間で撮影をやり切ったのですが、技の内容だけでなく、作品作りのプロセスを含め、今までの経験を注ぎ込む形となりました。

パート作りの段取りを組む上で自分なりに考えていた事がいくつかあります。まずは、パート全体のバランスを考え完成図をイメージしました。今回は時間が無かったので、スポットはほぼ地元浜松で撮影。そしてスポットごとにトライする技をチョイスしていきました。この時、撮影当日に絶対メイク出来る技を選ぶ事が第一条件ではありますが、いつも出来る技をやっても作品としてつまらない。でもムキになって自分のポテンシャル以上の技にトライしても映像は残せず体力と時間を消耗するだけ。だから自分の出せる技の見極めた ”攻めと守りのバランス” が大事でした。これはやっぱり日々の練習が重要で、撮影前には当日最短時間でメイクする為に事前に環境の整ったパークで技のメイク率を上げる練習をしました。反復練習や、得意技を複合的に組み合わせたり、難しい環境でもメイク出来るくらい完成度を上げる事が重要だと思います。限られた時間が無駄にならないし、ストリート撮影をする上で重要な能力だと思うからです。

そんな事を、日々の練習や撮影前には考えてはいますが、理想通りにいかないのも現実です。実際、ストリートはパークとは違い、路面が悪かったり、カーブが滑りにくかったり、縁石に溝があったり、エントリーが短かったりと、簡単にキメさせてもらえず苦労する事が多いです。さらにこの撮影時は真夏だった事もあり、熱中症で倒れて1日無駄にしてしまいました。でも、どうしても再トライしたくて、暑さの落ち着く夜中2時から撮影を行いました。夜中でも頭がボーっとするくらいの暑さで、さすがにあれは辛かった。パート最後の方のカーブトリックがそのシーンです。

スケーターなら分かると思いますが、難しい技をトライする事はすごく重要ではありますが、出来ない技を永遠と撮り続ける事は自分にとってもフィルマーにとっても時間、体力、精神的にすごくストレスを感じると思うんです。そんな状況でお互いテンションを維持することは難しい事です。だから、なんだかんだ言っても良い作品作りに一番大切なのは、同じくらいの熱量で挑めるフィルマーとの信頼関係だと僕は思います。時には、自分がメイクできなくて、精神的にも身体的にもきつくて諦めかけている時、フィルマーの「次は絶対にイケる!」の声掛けに本当に励まされます。そんな時のラスト一発ってメイクしちゃうんですよね。撮影の面白さと達成感を味わう瞬間です。

今回のパートでは、今までにない程自分を追い込んで撮影に挑みましたが、こんな僕のスキルでもヤル気になってやればこんな短期間でも納得のいくパートが出来るという事が自分にとって自信に繋がりました。過酷なスケジュールに付き合ってくれて、センス抜群の編集で作品に仕上げてくれたTassaには本当に感謝しています。パート作りへのこだわりはやっぱり最後は自己満ですが、19年目になる今でも変わらず好きな事に夢中になれることは幸せですね。30代になり、新たなステージを目指しますが、スケボーに対する初心の熱い気持ちは持ち続けていたいです。これからも楽しいSKATELIFEがあることを願って…
それではまた…
SKATELOVE✴

Profile – Yuta Nakasaka(中坂優太)
SPONSOR:Nesta BrandeS SkateboardingDGKRoyal TrucksThe bearingsHornet wheelOKSS.L PARK
スケート歴18年、現在理学療法士として働く傍ら、自らも現役バリバリ活躍中の静岡のキーマン。コラムでは語り切れない、さらに踏み込んだ内容を個人に合わせ、具体的にアドバイスするスケートボード理論講座も不定期に開催中。詳しくはブログ(http://ameblo.jp/y-nakasaka/)にて。

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